株式会社旭化成富士支社のSDGs 2021年1月25日OA

      

旭化成株式会社 富士支社 支社長 加藤仁一郎さん

会社のプロフィールをご紹介ください。

基本的に化学製品をつくってます。それ以外にも、住宅、ヘルスケア関係、薬、医療器具、それからエレクトロニクス関係とかそういう物を扱ってます。ちょっと残念なのは、なかなか一般の人が使う物っていうのは作っていなくて、ほとんどメーカーに納める物なんです。皆さんが見られるのは、サランラップ、それからジップロック、それから住宅でいくとヘーベルハウスでしょうか。

持続可能な未来づくりに貢献する取組みについてお聞かせください。

旭化成は色んな会社が集まってますので、旭化成グループと言っているんですけれども、そのグループの理念は「世界の人々の命と暮らしに貢献します」という事です。ビジョンは「健康で快適な生活」「環境への共生」です。これに適う商品を沢山つくっています。

例えば、排水をきれいにする「膜」を作っていろんなメーカーに納めたりしてます。最近では特にコロナ禍でお客さんからの要望が多いんですけども、殺菌能力が凄く高いということで、紫外線を発生するUVC LEDというものも作っています。それから自動車の軽量化などに使える金属代替としての樹脂です。エネルギーの無駄をなくします。今後は、水素自動車も主流になるでしょうから、水素技術の研究をしたりしています。

富士市は旭化成の中の研究開発の最大の拠点になるんです。今後10年20年30年役立つような物の開発をしています。富士市に拠点を構える大きな理由に「水」があります。社内に、凄い量の湧き水が、井戸を掘って無理やり掘り出すんじゃ無くて、溢れ出ている所があるんです。そこで、浮島ヶ原の昔の富士の原風景を再現するという事を目標に「いのちの森」というエリアを約10年前から造って、地元の生徒さんや、地元の人に来てもらったり、6月にはホタルを育ててホタルまつりをやったりしています。

取り組みはSDG’sの目標のうちどれに該当するとお考えでしょうか。

ほぼ全部ですがメインでは15個ととらえています。

環境貢献する様な事業や、エネルギーを使わない様な技術とかも導入していますので、「温室効果ガスの削減」「水の汚染防止」「大地の汚染防止」「生物多様性の配慮」、ヘルスケア関係は「健康長寿への貢献」「安心で快適な暮らしへの貢献」、それから「従業員を大事にする」といった「人権の尊重」とかですね、基本的には17全部目指しているんですけども、その内の15位をメインに行っています。

敷地内で実施している「ホタルまつり」についてお聞かせください。

「いのちの森」というビオトープで卵からホタルを育てています。色んな人が「当時この辺はホタルが飛んでた」とおっしゃるので、再現したいと考えました。以前は、前年の親から卵を取ってきて育てて、小川に戻すという事をやっていたんですけども、過去失敗もあったりと効率が良くなくてですね。やはりこれは化学会社らしく本格的にサイエンスを入れてちゃんと作った方がいいだろうと思いまして、日本のトップの先生等々のアドバイスを頂きながらホタル育成装置を建設しました。数メートルの装置です。科学会社なんでね、例えば真夏、もしポンプが止まって湧き水の温度を越えちゃうとマズいので、ポンプも二重化したりですね、何か異常があったらスマホにデータを飛ばして警報が鳴るような形で科学技術を駆使しています。

地域の方や社員の皆さんからはどんな声が聞かれますか?

年齢にかかわらずみんな好きですね。蛍以外にも植物の希少種とか、昆虫なんかも希少種がいるのでそうのも見て頂けたらなと。最初、浮島ヶ原の土を頂いて作りました。そこに色々の希少種が自生していてしていて。それから、中に田んぼがあるんですよ。もち米を作って餅つきしたり、水がきれいなのでワサビを作ったり。

そのあたりを詳しく紹介するオンラインイベントがあるとか。

はい、富士市のSDG’sにも絡んでるんですけども。生物の多様性のシンポジウムという形で「未来へつなぐ富士市の自然といきもの」というタイトルで、2月21日の14時からオンラインです。

事業を通じ、どのような未来を作りたいとお考えでしょうか?

SDG’sが一番分かりやすいと思います。環境や人を大事にする気持ちがますます重要になってきますので、そういう所に貢献する製品をり作ってお客様に届けしたいと思います。さらに、それを作る上においても生物多様性の考え方を理解して環境に優しい形で作って行く。また、それをやるのは人ですので人の育成についても地域に貢献できることがあれば協力し合いたいと思ってます。

(インタビュー 2021年1月25日)

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