ケーアイ工業株式会社のSDGs 2021年8月30日OA
春日製紙工業株式会社のスタイリッシュなオフィス
春日製紙工業株式会社 国分聖子さん
会社のプロフィールをお願いします。
当社は昭和58年に創業し久沢で金属加工をしております。ステンレス、スチール、アルミなどをはじめとする多種にわたる金属製品全般を手掛け、建設、輸送機、食品、通信、医療、デザイナーズ商品などの幅広い分野に採用されています。従業員は60名と若手から知識豊富なベテランと幅広い人材が在籍しております。長年の職人の経験による職人技+ハイテクマシンとのコラボ製品は芸術品と評価されます。
持続可能な未来づくりに貢献する、「事業内容」を教えてください。
近年は、バイオの力で生ゴミを発酵させて分解していく仕組みの、大型の業務用生ゴミ処理機GomiMagic(バイオ式生ゴミ処理機)を自社開発・製造・販売しています。現在、日本製紙株式会社様のTEMPO酸化パルプに銅を付着させてできた消臭効果がある商品を使い、さらに臭いの少ない生ゴミ処理機を開発し、各地域や自治体から出る生ゴミを焼却せず生ゴミ処理機で処理をして生ゴミの減量を目指せる機械にすべく日々実験と研究を進めています。
SDGsには17の目標がありますが、該当するとお考えでしょうか。
まず、9の産業と技術革新の基盤を作ろう、が該当します。金属ではなく新しい素材を使い、社会が直面する環境問題に応えながら製品開発、ものづくりに取り組んで富士市の産業の活性化を促す企業としての役割を果たしていきます。
そして、12の作る責任、使う責任です。富士市民が1日10gの残飯を出すと仮定して計算すると富士市全体で約2千トン以上の生ゴミが出る事になります。生ゴミ処理機で家庭から出る生ゴミを処理する事により、富士市全体の生ゴミ排出量の大幅な削減に繋げる事ができます。捨てるだけではなく持続可能な循環型の資源利用ができる商品開発にも取り組んでいます。
さらに、13の気候変動に具体的な対策を、も該当します。生ゴミを焼却するのに水分を蒸発させます。水分を飛ばすのに800gで480㎉必要となります。生ゴミの排出量が減れば焼却量が減りCo2削減に繋がり、さらに回収車の車両数を減らせる可能性も見込めさらなるCo2削減に繋がる商品を開発しています。
最後に、15の陸の豊かさを守ろうです。植物由来の新素材TEMPO酸化パルプを活用し資源の有効活用に寄与する事ができます。
持続可能な未来づくりに貢献する《大型の業務用生ゴミ処理機GomiMagic》とは、どのようなものですか。
当社のバイオ菌は土壌中に広く存在するEM菌、微生物を使い槽内で生ゴミを菌床と一緒に撹拌する事で菌がどんどん繁殖をし、酵素を出して生ゴミを分解していきます。
特長はどんなところでしょうか。
生ゴミをそのまま投入するだけでその場で処理ができるので、嫌な臭いの発生を抑えられます。堆肥型の生ゴミ処理機より分解も早く定期的に残渣を取り出す必要がないので手間もかかりません。
自社製造しているとのことですが、開発のきっかけは。
約15年前に社長の知り合いからの生ゴミ処理機のOEMの製造依頼からはじまりました。十数年前の生ゴミ処理機は、排水などの環境に関わる所に問題のある商品が多く、生ゴミは減らせるかもしれませんが環境にいい商品とは言えるものはとても少なかったと思います。地球温暖化やCo2削減など金属加工業とはなかなか結び付きにくいですが、長年の金属加工のノウハウと機械の設計製作の知識で、今までにない環境に優しい排水の事を考えた生ゴミ処理機を作りたいと熱い思いからはじまりました。
開発はいつから始まり、どのように進めてこられましたか。
約15年前に1号機を開発し飲食店や給食事業をされている会社様から生ゴミを頂き、日々実験を繰り返してきました。ごはんなどのでんぷん質が多いと処理槽につまり、オーバーフローをするなど思うように開発が進まない時期もありましたが、自社製造の強みを使い、撹拌する羽根の向きを変えるなど小さい事ですが、ひとつひとつ改良をしていき解決をしてきました。
《大型の業務用生ゴミ処理機GomiMagic》を使用している企業からの声は。
導入いただいている飲食店様では、回収業者へ引き渡すまでの保管場所がなくなり清潔な環境になり、従業員様の職場環境改善にもつながっている等の御言葉を頂けるようになりました。
使ってみたい、見て見たい、という場合は?
ケーアイ工業では日々開発を進めていますので、実際の機械が常に可動しております。処理方法など、実機の見学や生ゴミ処理機の紹介動画などもご用意しております。ホームページからのお問い合わせやお電話でのお問い合わせもお待ちしております。
今後、どのような未来を作りたいとお考えでしょうか。展望をお願いします。
富士市の企業同士が繋がり新しい商品が開発されていく事で中小企業がSDGsをより身近に感じ、今ある商品からSDGsに繋がる新たな商品開発に取り組むきっかけとなり、ちいさな事から進めていける意識改革に繋がり、今まで交わらないと考えていた技術から共同で取り組める新技術、新商品が新たに生まれ産業と技術改革の基盤を富士市から発信していきたいです。
(インタビュー 2021年8月30日)