富士高校のSDGs 2020年12月28日OA

        

池田和子先生 2年 木内高志さん 2年 牧野昂平さん

まずは、池田和子先生に伺います学校のご紹介をお願いします

富士高校は2年後の令和4年度に創立100周年を迎えます「社会の発展に寄与するために、主体的に学び続ける人材を育てる」という教育目標のもと様々な活動に取り組んでいます。

SDGs学習として行っている、「実践例」を教えてください

2年生では、1学期に「SDGsについて知る活動」、2学期に「SDGsに絡めた企画案を作成する活動」を行ってきました。「知る活動」では、カードゲームをしたり、講演を聴いたりするほか、SDGsの活動を紹介する冊子を読んだりしました。2学期に行った「SDGsに絡めた企画案を作成する活動」では、グループで企画案を作り発表をしました。その中で、大学の先生や企業の方、富士市役所の方などにお願いし、実践している立場の方からアドバイスをいただきました。

具体的にどのようなテーマでの探究活動ですか

70あまりのチームがあり多岐にわたりますが一部を紹介します。「ジェンダー問題」に取り組んだチームでは「制服を男女共通にしよう」とか「絵本を通してジェンダー問題を教えよう」という企画案がありました。また、ユニークなところでは「バイナリー発電を導入しよう」とか「雷発電」「牛のえさを変えて牛のげっぷから発生するメタンガスの量を減らそう」などという企画案もありました。

探究活動は、SDGsの目標のどの分野に該当するとお考えでしょうか。 

70チームがそれぞれ学んだテーマは1~17まですべてです。学校の活動の大きな柱としては17「パートナーシップで目標を達成しよう」です。

静岡県立富士高等学校のSDGs学習「心見考」はいつから始まり、どのように進めてこられましたか

今年度から始まりました。初年度で、今年の4月から2年生はSDGsを軸に探究学習を実施してきました。1学期はSDGSのことを知る活動、2学期は自分たちの企画案を提案するという活動を行いました。さらにこの後、3学期は「個人の進路とSDGsを結び付け、スピーチをする活動」を行っていきます。

ここから、実際に「SDGsの探究活動をチームで行ってきた」富士高校2年生の、木内高志さんと、牧野昂平さん にお話を伺います

まず、木内高志さん。SDGs学習を体験した木内さんのチームは、どのようなテーマを探求してきましたか?

失業者や職のない人が安定して就職できるようにすることをテーマにして「職業訓練」について考えました

どうしてその課題を選びましたか

SDGs番号1「貧困をなくそう」の貧困のうち相対的貧困に注目し、安定した職がないことが貧困の原因だと考えこのようなテーマにしました。

木内さんを含めチームメンバーは、何か発見はありましたか

職業訓練で「就職させようとする側」とそれを「受け入れる企業側」との関係性について深く考える必要があるという難しさを学びました

チームの取り組みは、私たちの暮らしをどのようにしていく?どうする事で目標達成すると考えますか?

考えたことがその通りにうまく機能したとすれば、相対的貧困の解決に少しはつながるのではないかと思います。そのためにも、企業側の視点から「雇用を増やすためにはどうすればいいのか」を考え、お互いが利益となり協力できるような体制を考えなければいけないと思いました。

つぎに、牧野昂平さん。SDGs学習を体験した牧野さんのチームは、どのようなテーマを探求してきましたか?

4つ目の目標である「質の高い教育をみんなに」について探究してきました。私のチームは特に識字率に着目しました。どうしたらより多くの人が読み書きができるようになるかを仲間と考え、それを改善できる現実的な企画案を考えました。

どうしてその課題を選びましたか

世界にはおよそ7億5千万人の識字能力を持たない人がいると活動を通して知りました。ですが、この問題を改善する方向にもっていけば、教育問題だけでなく児童労働の問題や貧困問題の解決にもつながると考えたからです。識字能力があれば仕事の種類が増え賃金も向上するからです。

牧野さんを含めチームメンバーは、何か発見はありましたか

自分たちの意見を整理して企画案に具体性が出てきたときはやりがいを感じました。一方、その企画案を予備知識がない人にうまく伝えられずもどかしい思いをしました。しかし発表の時に自分たちの考えや思いが伝わったときは嬉しかったです。

チームの取り組みは、私たちの暮らしをどのようにしていく?どうする事で目標達成すると考えますか?

SDGsがより身近なものなったと思います。最近では、テレビやラジオでSDGsが取り扱われることが多くなってきました。世界のより多くの人がSDGsに取り組めば、もっと早く目標達成につながると思います。こちらの放送を通してSDGSに興味を持った方たちも、身近なところで実践していただいたり他の人に伝えてくれるといいと思います。

おしまいに池田先生。SDGs学習「心見考」を通じ、どのような未来を期待したいとお考えでしょうか。

学校でSDGsの考え方を導入することで、高校生が現代の様々な問題を自分の問題として考え、
社会や政治に興味を持つことでわれわれ大人たちに刺激を与え、社会をよりよく変えていくきっかけになることを期待しています。

(インタビュー 2020年12月28日)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA