丸富製紙㈱のSDGs 2020年9月28日OA

生産技術・新製品開発部 部長 八木英一さん         

生産技術・新製品開発部 武内ゆみさん

丸富製紙さんといえば「トイレットペーパー」で有名ですね。改めてどのような会社かご紹介下さい。

昭和30年に富士市今泉で操業開始しました。一般家庭向けや業務用向けに、様々な付加価値のついた家庭紙を生産していて、主にトイレットペーパーを製造販売しています。「物を大切にする心」を理念に創業当初からリサイクル活動や環境保護活動に積極的に取り組んでいます。従業員数は丸富製紙単体で約250人、グループ会社含めると500人程度で業務にあたっています。

持続可能な未来づくりに貢献する「事業内容」を教えてください。

トイレットペーパーという製品を通じてお客様一人一人に幸せな時間をお届けしたいと考えています。環境の側面でも、あらゆる面で環境負荷の低い製品づくりを心掛けていて、 国際規格であるISOの取得、ゴミの出ない経済的な芯なしロールの開発、牛乳パック原料の再資源化などを行ってきました。その中で、セルロースナノファイバー(CNF)に着目し、トイレットペーパーの芯に使えないかと開発を進めています。

「セルロースナノファイバー(CNF)」とは?

CNFは原材料が植物です。身近にある植物を、用途に応じてほぐしたものです。最も有名な性質は「鋼鉄の5倍の強度」「1/5の軽さ」です。他に「高いガスバリア性」「保湿/保水性」なども注目されています。再生可能な資源であり生分解性も有しています

SDGsには17の目標が設定されています。丸富製紙さんの事業は、どれに該当するとお考えでしょうか?

いろいろと取り組んでいますが、主なところでは、

No12:持続可能な生産消費形態を確保する/ 牛乳パック原料の再資源化、機密古紙原料の再利用

No15:森林の持続可能な管理、砂漠化への対処ならびに生物多様性損失を阻止する/ 芯なしへの注力、FSC認証

No4:公正な質の高い教育、生涯学習の機会を促進する/ 積極的な工場見学の受け入れ

No7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに/ 廃ポリ、PSの有効利用、物流でのエコドライブ実施

No13:気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる/ 同上

No9:産業と技術革新の推進を図る/ 地域未来牽引企業として県などとCNFの研究開発を進める

が該当すると考えています。

CNFは、富士市が未来都市に選ばれる際の「キーワード」になったそうですね。

産業政策課の平野さんがお話していたのですが、富士市では、SDGsの達成に向けた経済側面において、環境問題に貢献できる産業の創出と持続可能な産業基盤の構築」を課題として位置付けています。

紙パルプ産業やCNFの用途展開が期待される様々な産業が立地する富士市の強みを活かし、CNFによる新技術の開発、新産業の創出など、実用化促進に向けた取組は、課題解決へつなげる核となる事業と言えます。

また、この課題を解決するための推進組織が、当社も参画する「富士市CNFプラットフォーム」が実施主体となっており、情報提供やマッチング、製品開発研究などを進めています。

新素材CNFによる新産業の創出は、技術革新や産業化の促進、持続可能な経済成長と雇用の創出など、SDGsの達成に向けた取組と言え、富士市のSDGs推進におけるキーワードと言えます。

富士市CNFプラットフォームに参画する前は、どのようなCNFについてどのような課題を感じていましたか?

「コストが高い」「取り扱いがしにくい」という二点は感じていました。

丸富製紙では、継続可能な未来づくりという観点から、この材料を有効活用しようと考えました。原料も工場で発生するトイレットロールの端材を主に再利用し、社内で使用するCNFは社内で製作します。ハンドリングの部分も家庭紙商品にあったCNFのサイズを見つけていくことで対応するつもりです。

どうして「芯の部分」に注目したのでしょうか。

社内でいろいろなアイデアを出しました、その中の一つが「芯」でした。芯なしロールは、丸富製紙の基幹商品の一つです。特に250m巻きという超長尺ロールは他にない商品ということで、幅広く受け入れられています。ただしこの商品は重く硬いという部分から、生産時や輸送時に少し潰れやすいという問題もありました。ここへCNFの特性である「高強度」「水分解性」がマッチしないか?と考えました。

開発をいつごろからスタートしたのでしょうか。

約2年前から着手しています。丸富コンバーティングという新しい工場の中に、PaperLABを新設し、新製品の研究開発を始めています。

そこへCNFの関連設備も設置し、現在いろいろなアイデアの実現化に向けて様々な検討をしています県や市との共同事業も今年度進めています。また、その他アイデアについても少しずつですが、商品化に向けて目途がつくところまできています。

まず「CNFって何」から始めたので、すべてが難しかったです。多方面から情報を集め、まずCNFを作ることからスタートしました。少しずつ理解が進むと、次はCNFのサイズによって結果が違ったりと、奥深さを感じています。また生産ラインに乗せようとすると、設備改造が必要となることもあり、苦労は絶えません。

使用感はいかがでしょうか。

まだ商品化の段階ということと、芯の強度を上げているという特性から、消費者からの反応は集めきれていませんが、分析結果から、芯孔の強度が既存品と比べて約20%アップしています。これによって、工程不良やクレームの削減につながると考えています。また薬品等使わず、植物原料を使用していますので、お客様にも安心して使っていただけると思います。

製品は、いつ頃、私たちの手元に届きそうでしょうか。

現在、パッケージ等発売に向けた準備を進めています。年内には店頭に並べられたらと考えています。超ロングという芯なし250m巻きの商品に採用していく予定です

丸富製紙が製品づくりを通じて作りたい未来についてお聞かせ下さい。

二つのキーワードがあります。

一つは「捨てずにリサイクル」です。トイレットペーパーは再利用できない紙です。そういった商品を作り続けるからこそ 「ものを大切にする心」を、製品を通じて多くの人に届けたいです。

もう一つは「環境へのやさしさを配慮した製品があふれる世の中に」です。より一層環境負荷軽減を目指した開発や製品づくりに取り組んでいきたいです

(インタビュー 2020年9月28日)

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